フリー素材にならない

以前にもちょっと書いたのですが、僕はほんっとに外見と実年齢のギャップが激しくて、しかも年々ギャップが大きくなっています。更に、お会いしたことのない方と電話で打ち合わせとか、お話をするケースがたまにあるのですが、声の印象だけだと100%の確率で20代以下と思うらしいです。

更に会社員でもないし、映像クリエイターの中でも初めからフリーで20年以上そこそこ第一線というのは珍しいし、高IQ団体は元々珍しい人を集めているのでその会員であることは勿論珍しいし、とにかく自分を「40代、男性」のよくあるイメージに寄せて説明することが非常に難しいのです。要するに「40代、男性」で検索する人が僕を想定している確率はゼロ、みたいな。

正直そんな現状に「これでいいんかい」と思うこともあったのですが(ここまで前置き)、そんな中見つけたのが上の動画です。自分より実年齢(還暦過ぎ)と声のギャップが激しい人類を見つけて感激しました。そして彼はそのことに悩んでなさそうなのがホントに素晴らしいです。僕も日頃はよくある「40代、男性」とは逆方向に全力疾走しているのですが、たまに「これでいいんかい」と思っていたのです。思う必要ないよ、と高見沢さんは言ってくれている訳ですね。いやまあ、そういう受け取り方をしてほしくて歌っているのかは分かりませんが(たぶん違うけど)、僕は彼のファンになりましたぞ。

「還暦、男性」で検索して彼の画像を出してくるフリー素材サイトがあったらそのサイトはダメですね。でも、そんなこととは関係なく彼は活躍している訳で、オリジナリティとはこういうことですな。

マイナスx歳肌

僕はそんなに体力があるほうではありませんが、仕事関係者からは「元気な人」と思われることが多いです。例えば撮影って典型的に体力勝負なのですが、撮影現場では僕はめっちゃ元気です笑。やはり撮ること自体が好きなのだと思います。

この好きというのは、仕事に対する意識とか以前の生理的なレベルの話です。元気でいる為には生理的に好きなことをやるべきですねやっぱり。

但し僕の場合撮影だけずっとやっていたい訳ではなくて、打ち合わせも、PCで編集したりCGを作ったりするのもそれぞれ好きです。今は打ち合わせ2:撮影1:PC作業7くらいの割合ですが、これは意識的にも無意識的にもいろいろ調節してきた結果なので自分としてはこの程度が一番無理がありません。あとは睡眠ですかね。僕はのび太くんとタイマン張れるレベルでよく寝ます。

そういったライフスタイルのお陰で元気なのは良いのですが、苦労が皺に刻まれていなさ過ぎてたまに実年齢を明かすと「詐欺だ」と言われます。決して騙している訳ではなく、敢えて言えば原因はこれなんじゃないかと思うことを書いてみました。

ひきこもりも悪くない

なんだかひきこもりの方にとって居心地の悪い世相です。ただ、僕も映像編集やCG制作、写真の加工などの楽しい作業は自室のPCで大抵深夜にやっているので、その様子を傍から見ればひきこもりだと思います。

これは僕が「客観視の罠」と勝手に呼んでいる現象で、大抵の振る舞いは遠くから冷めた目で観察すると痛々しいのです。深夜のPC作業なんてその典型で、部屋の明かりを消してモニタだけ光っていたりすれば完璧に社会不適合者です。

でも勿論当人は「さあ犯罪者感を出そう」などと考えている訳ではなく作業に集中しているはずで、重要なのはそこです。ひきこもりもこれと同じで、部屋にいるという形ではなくその本人が何を見て、考えているのかを評価すべきなのではと思います。

同じPC作業でも、例えばゲームと仕事は違うというご意見はあるかもしれません。でも少なくとも僕の場合、ゲームをやりこんでいたらいつの間にかプロになっていたような、それの映像版みたいな感じなのでそこまで違うとも思えません。

そもそも働かなくても食べていけるなら働く必要はないですね。人類は古来からそこを目指していますので。で、そうでない状況の方に働くことを促す場合でも「何のゲームやってるんですか?」的なところから問いかけていくのが有効なのではと個人的には思います。少なくとも「ひきこもるな」というメッセージ自体には何の意味もありません。それは例えば「青い服を着るな」というメッセージと同じなのです。

人それぞれ、ではない

僕は人と話しているといつの間にか相談を受けている形になりがちなのですが、前回書いた与沢翼氏もそのタイプですね。

いつの間にか番組ディレクターの人生相談になってしまったインタビューをTVで観たことがあります。与沢氏はそのディレクターに「人は人なんて逃げ。もしそうならどんなクオリティの作品でも良いということになってしまう」と助言していました。

どんな作品を良しとするか、というのは本当に難しい問題です。まずよくあるのは、辛口カレーが好きな人が甘口を出されて「もっと美味しくしてください」と言ってしまうパターンです。で、辛口を美味しいと思う人も甘口を美味しいと思う人もいると分かると今度は「人それぞれですね」としか言えなくなってしまうという。

しかしながら安易に「もっと美味しく」とも「人それぞれ」とも言えないのが我々の仕事です。各案件毎の最適な美味しさという難しいゴールを目指すしかないのですが、そもそもこの問題を考えたことのある人って少ないのです。

つまり世の中を飛び交うメッセージの多くは「もっと美味しく」か「人それぞれ」か「味なんてどうでもいいからカレー出しとけ」に過ぎません。与沢氏はクリエイティブ業界の人でもないのにいきなりそこを飛び越えているので、本質を掴む力が並大抵でないのは間違いありません。いろいろ誤解されやすいのかもしれませんけれど、僕はそこも好きです笑。

Get chance and luck

インスタ投稿用のポートレート撮影でモデルさんに会った際や、仕事作品の現場で同業の方に会った際の雑談が人生相談に発展することが多いです。表現、創作活動を仕事として長続きさせ発展させるにはどうすればよいのだろう、ということを皆さん聞きたいのですよね。

それに対しての僕の答えはシンプルで、社会的な需要と自分のやりたいことを対立構造として捉えないことです。もしバンドをやっていてドラマ主題歌のオファーが来たとしたら、自分のバンドらしくもありそのドラマらしくもある曲を書けば良いのです。

最近新作映画も公開されたようですが「シティーハンター」というお題で「Get Wild」を納品されたら制作側はどれ程嬉しいか、ということです。しかも「Get Wild」はめちゃくちゃ(その曲を書いた)小室哲哉っぽくもあるのです。

本当に仕事のコツはこれ以外ないのですが、これはつまりアーティストエゴと協調性を両立させるということです。その両方とも大事ですが敢えて言えばより重要なのは前者です。アーティストエゴ全開で「いっちょやらかしてやれ」と思っていなければ、「シティーハンター」に合っていなくもない無難で特徴のない曲を納品してしまう可能性があるからです。

そんなことを言ってもそもそもオファーすらないんですけど、という段階の方はとにかく作品を作ることです。何をおいても重要なのは作品のクオリティであって、SNSの更新頻度やコネでは絶対にありません。その上であとはタフさを発揮して運に恵まれてくれとしか言えません。文字通り「Get Wild」です。あの時点での、ブレイク前の小室哲哉がそう感じていたからあの曲があるのです。