映像クリエイター ひらさわ とも のブログです。RSSfeedtomo-hirasawa.comphoto.tomo-hirasawa.comYouTubeInstagramX

優れた作品の定義・その1

前回、エンタメ大作の中にも天才の痕跡がある、というようなことを書きました。とはいえそれは難しくて伝わらない暗号のようなものではありません。非凡な作者が全力で産んだ作品なら普通の人には理解し難い要素を含んでいそうなものですが、そして事実そのようなケースが多いと思うのですが、にも関わらずその本質が多くの人に伝わるのです。

だからこそピカソやゴッホが人類全体からの総合評価としてはちゃんと天才扱いされている訳ですが、人類がトータルするとそのような審美眼を持っているのはかなり奇跡的です。

ここで話を逆転させて、人類全体が好んだものを後から優れた作品と認定しているだけだ、と論じることもできるでしょう。絶対的な価値の存在を認めずマーケティングだけを拠り所にする見方です。

その見方に同じ土俵で反論するのは難しいのですが、クリエイターの仕事はその見方の味気なさを甘受していたら成り立ちません。「赤でも青でもそれは個人の好み」というロジックは正しいのですが、にも関わらずどちらかをまるで絶対的な真実であるかのように選ぶのです。

完全にクレイジーですが、その本質を誤魔化して客観的な、マーケティング的な根拠の上に成り立っている体を装い過ぎると却って病んできます。広告代理店が陥りがちなジレンマです。

ただここで話を終わらせると単に駄々をこねているだけのようなので、何をもって優れた作品とするか、マーケティング準拠ではないけれど定量的ではある定義を一つご提案することにします。それは「より難しい問を解いた結果生まれた作品」というものです。

次回に続きます。


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