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ギリギリの場所にいる人

「世間に馴染めない天才」という言い方が一時期流行りました。あまり流行ると薄くなり、それらの発信の信憑性が全体として下がるという現象が起こります。

ただ、それと「世間に馴染めない天才」が実際にいるかどうかは別の問題です。で、結論としてはやはりいるとしか言えません。

天才なら平均的な社会に馴染むという課題も解けるのではないか、という考え方を以前書きましたが、ただそれも程度によるかもしれません。平均からの乖離の仕方によっては、平均に歩み寄るルートが迷路過ぎたり距離が遠すぎたりで、実質的に世界から隔絶しているのと変わらないということもあるでしょう。

ところで、鉄道模型を作り庭に敷いた線路を走らせることを趣味にしている作家がいます。庭は広大で鉄道模型は人が跨って乗れる大きさです。その作家が、鉄道模型用の橋を作りたいのでまず谷を掘っている、と書いていました。

僕がこの話を知人に教えたところ知人は泣き出しました。その反応から、知人は周囲を取り囲む谷によって世界から隔絶していることが分かります。しかしその谷を当の作家は趣味を彩る舞台として自ら作り出しており、その創造的な反転がきっと知人の心を打ったのでしょう。

その知人は僕が以前作ったこの作品のモデルで、あり得ないような計算能力の持ち主です。ただ僕がこの知人を真性の天才だと思うのは計算ができるからではなく、端的に言えば谷の話で泣いたからです。多分計算が速いだけなら流行りに乗ってそんな自分を発信することもできたでしょう。でも本当にギリギリの場所にいる人はもう少し何かが切ないように思うのです。

前回書いたTWICEのメンバーであるツウィは「美の暴力」と呼ばれる程の超絶美人です。ただ子どもの頃から美人扱いされ過ぎているからか、彼女自身からは自分の美しさをできれば隠したいような気配しか感じません。最後に突然K-POPの話をぶっこんでしまいましたが、ギリギリの場所にいる人は何かが切ない、というのはまあそんなような意味です。


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