温かい建物

ブライアン・シンガー(やそちら側の人)が撮ったものはほんの断片でも大体分かる、と先日書きましたが、その続き。

これは別に、意識的に判定しようとしている訳ではありません。ただ氷点下の寒い道を歩いていたら突然暖房の効いた温かい建物に入ったみたいなことで、それに気づかないのは不可能です。

これだけ明白な違いがあると、結局世界がシンガー側と非シンガー側に分かれて見えることになります。そして残念なのは、世界の大部分が非シンガー側であるということです。自分にとって居心地が良いのはシンガー側の世界なので、逆に言えば非シンガー側の大部分には馴染みません。この「大部分」には、人は人に会いたいものだといった、人生の基本条件みたいなことも含まれます。

そういえば野球選手のイチローは「古畑任三郎」を繰り返し観ていて全エピソードを暗記している、と聞いたことがあります。ただストーリーを追いたいだけならそんな環境ビデオみたいな見方はしません。恐らく彼にとってミステリィは癒やしで、「温かい建物」側なのだと思います。